近頃,このサイトで紹介するためもあって,陶磁器について改めて勉強をしています。
歴史を学ぶ際に「陶磁器」と聞くと,ずいぶん重いイメージがしますが,考えてみれば,私たちがふだん使う皿やカップなどの食器の多くは陶磁器ですし,実は非常に身近なものですね。
高校の世界史では,陶磁器は青磁・白磁・染付など中国のものばかりがクロースアップされますが,近世以降になると,ヨーロッパ各地でもさまざまな試みをへながら陶磁器がつくられるようになり,それらのうちには現在にまで続いているものもあります。
ウェッジウッドは,そのような,長い歴史をもっていて,しかも現在でも多くの人に支持されている,ヨーロッパの陶磁器ブランドの代表といえるでしょう。
ウェッジウッドは,イギリスの産業革命期にあたる18世紀に,イギリス中部のスタッフォードシャー地方のジョサイア・ウェッジウッドがつくった工房に始まる陶磁器メーカーです。ジョサイアは高度な製造技術を開発しただけでなく,デザインについても早い時期からこだわり,品質と美しさの両方を兼ね揃えた陶磁器を生み出しました。その後,その工房は子孫に受け継がれ,19世紀末には法人化されて現在に至っています。
ウェッジウッドの上質の白色や洗練された形状は上品さを感じさせますが,それと同時に,その上にしばしば描かれる,赤や緑などの明るく淡めの色彩で描かれた花や草の絵柄は,持つ人に楽しさや幸せを与えてくれるような気がします。